悪徳な訪問販売

「訪問販売」の代名詞が「押し売り」という言葉です。現在でも結構な数の過程で貼られているステッカーとして、「押し売りお断り」というものがあります。

つまり、やはりそのような営業手法、販売手法は世の中では「悪」と捉えられているものなのです。これがなぜなのかというと、そのような印象を広げてしまった営業マンが多々存在したからではないでしょうか。

「押し売り」という言葉の通り、そのように「悪徳」とされる営業マンの手口は巧妙なものから人に「恐怖」を与えるものまで多岐に渡っていました。中には「買ってくれなければ帰らない」などといった脅迫めいたものも数多く存在していたのです。さらには、そのようにして販売しようとしている商品に関しては、どこの店でも売っているようなありふれたキッチン用品などを「法外な値段」で提示していたケースもあったのです。

「家」というものは各個人が最終的に逃げこむことができる「最後の砦」です。「自宅」はもっとも安らげる場所である必要があり、安全である必要があるのです。そのような「自宅」に直接押しかけられて要りもしない商品を無理やり薦められるというのは穏やかなことではありません。

ましてや、相手が強面であったり、まるでヤクザのような態度をとっていたりするようであればそれはなおさらです。相手に対して「早く帰って欲しい」という気持ちだけが先行し、まるで「帰ってもらうための代金」として、相手に金銭を支払ってしまうというケースもあったのです。

それは紛れもない「犯罪」です。脅迫によって相手に不必要なものを購入させるという行為が、そのまま「押し売り」という行為のイメージです。そのようなことが横行した時代もあり、世間では「訪問販売はすなわち悪徳」というイメージが定着してしまったのも無理はないのではないでしょうか。ですから玄関口に「押し売りお断り」、「訪問販売お断り」、「勧誘お断り」、「警察官立ち寄り所」などというステッカーを掲示し、そのような悪徳な営業マンを寄せ付けないようにしようと試みたわけです。

ただ、本当に悪徳な営業マンであればその程度では引き下がりません。本当に悪徳な営業マンはそのような掲示はものともせず、平気で押しかけてくるものです。そして何事もないかのように押し売りのトークを始めるものなのです。

そのような営業が横行しているため「押し売り」は数多くある販売手法の中でも最低のイメージを持つものです。短期的に売上が上がったとしても、そのようなことを続けている販売会社、そしてその商品にまでもドロを塗る行為であることは間違いないでしょう。

現代ではそのような販促をとる会社は激減しています。それは結果として「儲からないから」であるということは言うまでもありません。ひとつの地域を食いつぶし、また違う地域に対して営業をかければ良いと考えた一部の会社だけが、未だにそのような営業を続けているのです。

↑ PAGE TOP