訪問販売で売られているもの

どのようなものが訪問販売で売られているのか、少し考えてみましょう。それは現代と一昔前で少し違う様相を呈しています。それは現代の私たちが「情報」を能動的に得られるようになったからでもあります。

情報を能動的に得られるようになったというのは、つまり「インターネット」の登場が大きいでしょう。私たちは情報を参照する際に、同時に「その情報の信頼性」も考えることができるようになっています。その情報が正しいのかどうか、誰が発信したものなのか、自然と考え、見極める「目」を持っているということになります。

訪問販売ではそのような「情報」はすべてその営業マンから聞くことになります。ですが、それは何の信ぴょう性もありません。その営業マンが「嘘」を言っているかもしれず、それを確かめる術がなかったのが、訪問販売が横行した一昔前ということになります。そのような時代では「相手のことを信用できるかどうか」ということがその「情報」を信用するかどうかの大きなキーになっていました。ですから、営業マンが信用できるようなものであれば本気で「検討」することもできたのです。

新聞の勧誘などはシンプルでした。「新聞」を発行している新聞社の数などは限りがあり、その新聞が「いるかいらないか」という二択だったのです。そのような「商材」であれば特段「情報」などは気にする必要はなく、その営業マンが提示している「条件」がこちらに対して有益なのかどうかを考えればよかったものです。

他には「保険」です。これは現在と一昔前では少し様子が違います。以前は「保険の外交員」という職業はメジャーなものであり、その人から細かく保険の説明を聞くことは当たり前のことでもありました。それは「自分で調べる術」があまりないからでもありました。ただ、現在ではそれがインターネットで簡単に可能になっていて、自分で自分のライフスタイルに合った「保険」を選ぶことができるようになっています。そのため、玄関口に押しかけて保険を販売するような営業は、都市部ではあまり見られなくなりました。

他に訪問販売で売られているものを挙げるとすれば、「教育系の商材」があるでしょう。これは実際に顧客の自宅に訪問することによって、「実際にその教材を使用する子ども」に対して、その商材を体験してもらうことができるからです。そのような「体験」をしてもらうことで、「その子ども反応を見た親」を攻めることができるのです。親は得てして子どもが喜んでいればお金を払うものです。ですから、訪問して子どもを落とせば、教育系の商材では勝算が高かったのです。

そのようなさまざまな商材が訪問販売で営業されていました。その行為自体が商材の質を疑わせるような時代になってしまった「今」では、以前販売されていたものもインターネットでの販売に切り替えられているようなことも多いようです。どのような商材にしても、そこには営業マンの「トーク」があるのです。

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