訪問販売「お断り」のステッカーとは

よく見かける「訪問販売、押し売りお断り」というステッカーは、それ自体に効力があるわけではありません。そのようなものを貼っていても、相手の来訪を食い止めることは、法的にはできません。

ただ、そのステッカーを見た訪問販売員は、「このステッカーがあるのに訪ねてしまうと、きっとクレームから始まるだろう」という覚悟を持った上でインターホンを押すことになります。そのような貼り紙、ステッカーがあったとしても、どうしても訪ねなければいけないのが訪問は販売員、そして相手にクレームを言われることも馴れているものです。ですから、その貼り紙やステッカーで防ぐことができるのは、そのようなクレームや文句に対して耐性のない、「新米の営業マン」くらいなのです。

ステッカーを掲示しているこちらとしては当然、それでも訪問販売員が訪ねてくると「これが見えなかったのか?」とクレームからはいることになります。相手はそのようなことは予想しています。ただ、こちらとしてはそのあとの営業マンの切り返しがどのようなものであったとしても、関係ないのです。相手がどのような態度でいようと、こちらはそれを突っぱねて「帰れ、警察を呼ぶぞ」と、ドアを閉めればいいのです。

つまり、相手がどのようなトークを展開しようとしていても、それを「聞く姿勢」を持たなければいいのです。聞かなければ、相手がどのような口上を述べたところで関係ありません。そのトークを聞かなければ、返事をする必要もないのです。相手がどれだけ「にこやか」でも、相手がどれだけ「かわいそう」に見えても、相手は「仕事」でその訪問をしているということを忘れてはいけません。

彼ら訪問販売員には、営業マンには、月々に課せられた重いノルマがあるのです。重いノルマをクリアするために、相手は死に物狂いになっています。それを忘れて同情したり、男性の場合は相手の営業マンが少し美人だからといってハナシを聞いたりすると、相手はなにかを売るまで、成約するまで、帰りません。

ですから、そのような「ハナシを聞くつもりはない」という意志を玄関先に示しておくためのステッカーであるということです。

他のパターンとしては「警察官立ち寄り所」などのステッカーです。訪問してくる相手、こちらが招いていない相手に対して、明らかな「意志」を示してしておくためにも、そのステッカーは意味があるものだということです。もちろん、その「意味」はそれでも訪問されてしまった後の、家主の「態度」にもよります。それが曖昧であったり、押しに弱いようなものであったりすると、そのステッカーはただの飾りに成り下がり、その後も同じような営業マンが来訪を続けることになるのです。それでは意味がないのです。

結局は「訪問販売は迷惑だ」という明確な姿勢が必要なのです。それを態度でも示すことで、迷惑な営業マンを撃退することができるでしょう。ステッカーだけでは、不十分であるのです。

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